なにしろ、彼は男性だ。女性と違って、そういった欲求は、生理現象として起こるはず。それを唯一触れ合える存在の妻が拒否してもいいものだろうか。でも、私は、一般的な妻ではないし……。
そして何より、私は男性とそういった経験がない。
たぶん、連さんにもバレているだろうが、近居初日に軽くキスされたのが人生初めてのキスだったのだ。
私個人は結婚願望が皆無の女だった。異性に興味がないわけではないけれど、結婚して子どもを産むヴィジョンは見えない。多少好意を感じたら気持ちに蓋をして離れることを繰り返してここまできた。
これが経験のある女性なら、もう少し軽い気持ちで連さんの誘いを受け入れるのかもしれない。しかし、処女は簡単に「どうぞどうぞ」とは言えないのだ。
むしろ、行為中見苦しい姿を見せ、迷惑をかけるくらいなら拒絶してしまったほうがいいとさえ思える。
そういった不安やわだかまりを延々考える。ここ最近ずっとだ。
「初子、おーい、初子」
呼ばれてはっと顔をあげた。苦笑いで私の顔を覗き込む連さんがいる。
「悪かったよ。そんなに思い詰めた顔をしないでくれ」
「いえ、……その、ご期待に添えず、も……申し訳なく……」
「その気がない女性に襲い掛かるほど鬼畜ではない。でもそうだなあ。女性に振られるという経験が、今までないから傷ついてはいるなあ」
わざとらしくそんなことを言ってくる。それはそうでしょう。彼ほど端正で美しい男性が女性に嫌われるわけない。
……つまりは、私がとんでもなく失礼なことをしているということにはなるけれど、私は女性の勘定に入れないでいただきたいものだ。
そして何より、私は男性とそういった経験がない。
たぶん、連さんにもバレているだろうが、近居初日に軽くキスされたのが人生初めてのキスだったのだ。
私個人は結婚願望が皆無の女だった。異性に興味がないわけではないけれど、結婚して子どもを産むヴィジョンは見えない。多少好意を感じたら気持ちに蓋をして離れることを繰り返してここまできた。
これが経験のある女性なら、もう少し軽い気持ちで連さんの誘いを受け入れるのかもしれない。しかし、処女は簡単に「どうぞどうぞ」とは言えないのだ。
むしろ、行為中見苦しい姿を見せ、迷惑をかけるくらいなら拒絶してしまったほうがいいとさえ思える。
そういった不安やわだかまりを延々考える。ここ最近ずっとだ。
「初子、おーい、初子」
呼ばれてはっと顔をあげた。苦笑いで私の顔を覗き込む連さんがいる。
「悪かったよ。そんなに思い詰めた顔をしないでくれ」
「いえ、……その、ご期待に添えず、も……申し訳なく……」
「その気がない女性に襲い掛かるほど鬼畜ではない。でもそうだなあ。女性に振られるという経験が、今までないから傷ついてはいるなあ」
わざとらしくそんなことを言ってくる。それはそうでしょう。彼ほど端正で美しい男性が女性に嫌われるわけない。
……つまりは、私がとんでもなく失礼なことをしているということにはなるけれど、私は女性の勘定に入れないでいただきたいものだ。



