そもそもの出会いはイギリスのプライマリースクール時代である。階級社会の色濃い国で、同じ日本人同士だった俺たちはすぐに仲良くなった。先に帰国した俺と再会したのが高校時代。それからずっと気の置けない友人として過ごしている。
撫子は幼い頃から恭に憧れていて、高校時代には婚約の話が出て、彼女が大学卒業時に正式に婚約関係となった。
「初子さんとさっき挨拶をしたよ。黒い髪に瞳、真面目そうで擦れていない雰囲気がいいね。可愛らしいじゃないか」
「ああ、黒くて丸い頭が燕みたいだろう。いつもダークスーツを着ているしな。顔はフェレットとか、ああいう系統の小動物に似ていると思わないか?」
「……連、女性を褒め慣れているおまえにあるまじき形容の仕方だな。本人に言うなよ」
俺としては可愛いという意味合いで言っているが、確かに知り合う女性たちは喜ばない表現だろうなと思う。初子のようなタイプはいないし。
「良い女性のようでよかったよ。優良な行員だとも聞いている。俺たち夫妻は文治の経営に関わる気はないから、連が頭取を継げる環境に近づくのはいいことだ」
恭はそう言うが、俺の内心は少々違う。
恭がもし、文治を継ぎたいと望むならどうだろう。
学生時代から、恭とは競い合ってきた。勉強も運動も、勝ったり負けたりしながら切磋琢磨してきた。しかし、本質的な部分で、俺は恭に勝てたように思えたことがない。
撫子は幼い頃から恭に憧れていて、高校時代には婚約の話が出て、彼女が大学卒業時に正式に婚約関係となった。
「初子さんとさっき挨拶をしたよ。黒い髪に瞳、真面目そうで擦れていない雰囲気がいいね。可愛らしいじゃないか」
「ああ、黒くて丸い頭が燕みたいだろう。いつもダークスーツを着ているしな。顔はフェレットとか、ああいう系統の小動物に似ていると思わないか?」
「……連、女性を褒め慣れているおまえにあるまじき形容の仕方だな。本人に言うなよ」
俺としては可愛いという意味合いで言っているが、確かに知り合う女性たちは喜ばない表現だろうなと思う。初子のようなタイプはいないし。
「良い女性のようでよかったよ。優良な行員だとも聞いている。俺たち夫妻は文治の経営に関わる気はないから、連が頭取を継げる環境に近づくのはいいことだ」
恭はそう言うが、俺の内心は少々違う。
恭がもし、文治を継ぎたいと望むならどうだろう。
学生時代から、恭とは競い合ってきた。勉強も運動も、勝ったり負けたりしながら切磋琢磨してきた。しかし、本質的な部分で、俺は恭に勝てたように思えたことがない。



