きっと、私の縁者を招きたくてこういった温かい内輪の式を計画してくれたのだろう。サプライズにしたのも、私に遠慮させないため。連さんはどこまでも優しい。
「私こそ、幸せです。連さんの妻になれました。書類上ではない、本物の妻に」
私は明るい笑い声の満ちる庭園を眺め、数瞬迷った。それから、おもいきって連さんの耳に唇を寄せる。
「連さん」
「お? なんだなんだ?」
内緒話の気配に、背の高い連さんが屈む。
私は一度きゅっと唇を噛みしめ、それから言った。
「お腹に、赤ちゃんがいます」
連さんが固まる。
面白いほどぴたっと固まった表情が、次の瞬間ぶわっと興奮に染まった。
そして場に連さんの絶叫が迸った。
「えええええ!?」
「しい、連さん、しいです。まだ、大々的に言える時期ではないので!」
「いや、え、ああ、うん、でも!」
連さんの顔は真っ赤だ。言葉に詰まり、それから私のことを勢いよく抱き上げた。
小柄な私は軽々と子どものように連さんに抱き上げられてしまう。
「連さん! ちょっと、駄目です!」
「初子! やった! ありがとう!」
感極まった連さんは顔をくしゃくしゃにしていた。
涙の滲む彼の目元に指をあてがって、私は笑った。
心の底からの笑顔で。
(了)
*****
ここまでお読みくださりありがとうございました!
初子と連の幸せな未来を祈って筆をおきます。
2021.2.19 砂川雨路
「私こそ、幸せです。連さんの妻になれました。書類上ではない、本物の妻に」
私は明るい笑い声の満ちる庭園を眺め、数瞬迷った。それから、おもいきって連さんの耳に唇を寄せる。
「連さん」
「お? なんだなんだ?」
内緒話の気配に、背の高い連さんが屈む。
私は一度きゅっと唇を噛みしめ、それから言った。
「お腹に、赤ちゃんがいます」
連さんが固まる。
面白いほどぴたっと固まった表情が、次の瞬間ぶわっと興奮に染まった。
そして場に連さんの絶叫が迸った。
「えええええ!?」
「しい、連さん、しいです。まだ、大々的に言える時期ではないので!」
「いや、え、ああ、うん、でも!」
連さんの顔は真っ赤だ。言葉に詰まり、それから私のことを勢いよく抱き上げた。
小柄な私は軽々と子どものように連さんに抱き上げられてしまう。
「連さん! ちょっと、駄目です!」
「初子! やった! ありがとう!」
感極まった連さんは顔をくしゃくしゃにしていた。
涙の滲む彼の目元に指をあてがって、私は笑った。
心の底からの笑顔で。
(了)
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初子と連の幸せな未来を祈って筆をおきます。
2021.2.19 砂川雨路



