今日から初子と一緒に寝る。記念すべき初夜は昨晩で、俺としてはやっと触れられた妻に今夜も触れたい。

「初子」

ベッドの上でキスをすると、初子の小さな両手がぴたっと俺の胸にあてがわれた。
それは『そこまでです』の合図。これ以上は駄目だというのか?

「撫子さんがいらっしゃいますので」

初子は困惑顔で言う。

「向こうの寝室とは離れてるぞ」

必死に食い下がってみるが、初子は恥ずかしそうにうつむいた。

「それでも……気になると言いますか……」

昨晩結ばれたばかりだ。そういったこと自体に慣れていないせいか、過剰に気にしているということもあるだろう。
それは仕方ない。乗り気になれない妻を組み敷くわけにはいかない。

しかし、これが毎晩となると少々つらい。
一刻も早く、撫子と恭の仲互いを収めなければならないだろう。俺と初子の幸せな新婚生活のためにも。