「俺は初子に好意があるぞ。出会って三ヶ月だ。熱愛というと少し違うかもしれないが、初子が可愛くて仕方ない。他の男と仲良くしてほしくない。離婚は嫌だ。おまえの抵抗がなくなったら、キス以上のこともしたい」

堂々と言われ、私はパンク寸前だ。ストレートなところのある人だけど、真正面から気持ちをぶつけられると戸惑ってしまう。

「キス以上をしたら、夢中になってしまいそうで怖い。初子のことばかりで、朝も昼も晩も離れられなくなってしまいそうだ。心の中で、初子のことが日増しに大きくなっているんだ」
「れ、連さん……そんな」

彼の一生懸命な告白を、私は嬉しく思っている。そうでなければ、こんなに照れくさくていたたまれなくならないもの。

「ゆっくりでいい。俺との未来を考えてくれないか?」
「……はい」

連さんの顔が近づいてきた。もう許可はいらない。私は目を閉じ、唇が重なるのを待った。
軽く触れるだけのキスをして、連さんは私を抱き締めた。私たちはしばらくそうして抱き合っていた。
連さんにぴたりとくっついていると、今までに感じたことのない安心感を覚える。同時にドキドキと胸が苦しくなる。安心と心拍数の上昇は反対の事象な気がするのに、不思議だ。
これが恋というものなのだろうか。

いや、今は彼の言葉に甘えよう。この気持ちに名前はつけない。
連さんを素直な気持ちで見つめて、彼への感情の答えを探そう。