「さあ、初子の作ってくれた肉じゃがを食べさせてもらおうかな」
「お口に合えば幸いです。あの、うちは豚肉で作る派なんですが、連さんはいかがでしょう」
「叔母が作ってくれたのは牛肉だった気がするよ。まあ、こだわりはないんだ」

初子は緊張の面持ちで、食卓の準備に戻る。
振舞ってくれた肉じゃがはこっくりと甘く、箸の進む味わいだった。俺が美味い美味いとお替わりして食べるのを見て、初子は安堵の微笑みを浮かべていた。

こんなふうに自然に笑ってくれる日を増やしていきたい。そうしたら、初子は俺と生涯をともにしてくれるだろうか。