「俺は、あまり面白くないぞ。おまえが夫の俺に見せないような顔で、はしゃいでいるのは」
子どもっぽいが、どうしても言っておきたい。
「初子は、俺にもあのくらい気を許して笑うべきだ」
初子はきょとんとしていた。そして、おそらくは反射のレベルだったのだろう。彼女らしくない言葉が唇から飛び出した。
「連さんこそ、恭さんや真緒さんといる方が楽しそうです」
口にしてから、初子ははっと目を見開いた。自分の言った言葉が失言だったと思ったようだ。しかし、初子には失言でも俺には貴重な言葉だ。普段巧妙に見せないでいる初子の本心の部分が、聞こえたのだから。
「初子は、恭や真緒に嫉妬しているのか?」
「身の程を弁えないことを言いました。申し訳ありません。忘れてください」
初子がまた軍人のごとくびしっと最敬礼をする。そうじゃない。そうじゃないんだ、初子。
歩み寄った俺は、勢いよく初子の肩をつかみ、顔をあげさせる。
「俺は、おまえの前では自然じゃないか? リラックスしていないように見えたか?」
「いえ……ですが、気の置けない仲というものは一緒に過ごした時間も関係していると思います。……ですから、連さんが真緒さんや恭さんの前でずっと楽しそうにしていても、それは当然のことで……私が疎外感を味わう理由にはならず」
「その理論だと、俺はどうやっても越野支店長に勝てないじゃないか」
嫉妬していると思われてもいい。俺は堂々と初子の目を覗き込む。
まだたったふた月だけど、俺だって初子の特別になりたい。
子どもっぽいが、どうしても言っておきたい。
「初子は、俺にもあのくらい気を許して笑うべきだ」
初子はきょとんとしていた。そして、おそらくは反射のレベルだったのだろう。彼女らしくない言葉が唇から飛び出した。
「連さんこそ、恭さんや真緒さんといる方が楽しそうです」
口にしてから、初子ははっと目を見開いた。自分の言った言葉が失言だったと思ったようだ。しかし、初子には失言でも俺には貴重な言葉だ。普段巧妙に見せないでいる初子の本心の部分が、聞こえたのだから。
「初子は、恭や真緒に嫉妬しているのか?」
「身の程を弁えないことを言いました。申し訳ありません。忘れてください」
初子がまた軍人のごとくびしっと最敬礼をする。そうじゃない。そうじゃないんだ、初子。
歩み寄った俺は、勢いよく初子の肩をつかみ、顔をあげさせる。
「俺は、おまえの前では自然じゃないか? リラックスしていないように見えたか?」
「いえ……ですが、気の置けない仲というものは一緒に過ごした時間も関係していると思います。……ですから、連さんが真緒さんや恭さんの前でずっと楽しそうにしていても、それは当然のことで……私が疎外感を味わう理由にはならず」
「その理論だと、俺はどうやっても越野支店長に勝てないじゃないか」
嫉妬していると思われてもいい。俺は堂々と初子の目を覗き込む。
まだたったふた月だけど、俺だって初子の特別になりたい。



