「その様子じゃ、まだ告白もしてないだろ?
ミライさん人気者だし優しいんだから、早く告らないと誰かにとられちゃうよ?」

ミライさんは白金バッジの夢の配達人、その上優しくて、容姿も長身で綺麗な顔をした爽やかな好青年。今年33歳なのに、まだ独身だという事が信じられないというか奇跡というか。特別に付き合っている女性がいるという噂も全く聞かない、仕事一筋の真面目な人だ。

そんな絵に描いた王子様のような人だけど、俺は自分の姉がその相手に劣っているなんて全く思わない。
むしろ、お似合いだと思ってるし二人が一緒になってくれたら本当に嬉しい。

「大丈夫、姉貴は可愛いよ。
ミライさんだって、きっかけがないだけで姉貴の事絶対いいな〜って思ってるって」

お世辞ではなくそう思う。
過去に二人が一緒に居るところを目撃したが、全然悪い雰囲気じゃないっていうか、むしろ楽しそうだったというか……。俺からしたら、付き合っていないのが不思議に感じた時もあったくらいだった。
あとは最後のひと押し、きっかけが足りないだけだと思っていた。

しかし、頭を撫で返した俺に姉貴は「ありがと」って微笑った後。少し俯いて言葉を続けた。