何事もなかったかのように、その日一日が過ぎた。
夜になってもなかなか寝付けなかった私は、ただ異国の宿泊施設に興奮しているだけかもしれないという思いを頼りに、徘徊している。

水の大国カルディナディアは平和な国だった。
観光で栄えていて、伝統豊かで、信心深い。
この国の公用語デイナ語も既に習得済みだったので、不便はなかった。

そして、海外旅行はとっても楽しい。
 
初めて見る景色や、肌の色が違う人たち、馴染みのない日用品。
そういった刺激のすべてが胸を躍らせた。