そこへファイサル船長が通りかかり、ライラが袖を掴んで引き留めた。


「……!」


ファイサル船長の反応を見るからに、絶対クマを指摘されて生活指導されている。


「うーん、あのふたりはお似合いよねぇ~。妬ましいわぁ。今朝もゾッとするほどいい男ねぇ……」

「寝不足ですね」


実に絵になる三人だ。
バディーアも真剣な表情で相槌をうって、我らが船長兼座長を心配しているように見えた。

さらにそこへバスィーム王子まで加わった。
4人はひとつのテーブルを占拠して、なにやら真剣に話し合っている。


「麗しい……ッ」


まさに美の暴力!
目が……目がぁ……ッ!!


「あんたお子ちゃまねぇ~。アタシ、ブルハーンにいちばん燃えるわ」

 
レイスが言った。
ちょっと黙っててほしかった。