「!」


ちょうど階段から大柄な男性が現れた。


「……!」

「……」


あの人だ。
もう一人の、少し神経質そうなガチムチだ。朝からわりと小奇麗な格好をしている。

 カッ!


「!?」


突如見開かれた彼の目にギョッとして、挨拶するタイミングを失った。
そして、その手がわなわなと私の前に差し出されるにつれ、私も目を見開いた。


「……それは!」


花の刺繍が施された、ハンカチーフ。

まさか、レイスのあからさまなアプローチだというのかこれは……!!


「……お預かり、します」

「……」


すごい眼力で頷かれる。