「バディーア、ダリヤを頼めるか? 俺は用事がある」

「いいですよ」


なん、だと?


「よかったぁ。ダリヤさんには脱いでもらわないといけないから、殿下と僕だけじゃ気まずくて。助かりますバディーアさん」

「いいのよ」


……なに? 脱ぐ?


「じゃあなダリヤ☆彡」


バスィーム王子は上機嫌な笑みを浮かべて行ってしまった。

嬉しいような……
心細いような……

呆然と見送っていたら、その間にバディーアの衣装直しが終わった。彼女は普段着になると、手の甲で髪を払った。甘い香りがふわんと漂う。