「俺たちは旅の途中で歌や踊りを披露して日銭を稼いだり、細かな仕事を請け負って収入を得たりする。その、一座としての財産、個人の財産はこっちの金庫だ。たまに手持ちの金を、飛空艇に寄付してくれる」


バスィーム王子は嬉しそうだ。


「細かい事を気にせずに貨幣をそのまま入れる者もいる。それはもうごちゃまぜだから、その通貨の金庫でいい。でも……例えばこうやって?飛空艇?と書かれた紐がついていたり、袋に入っていたりするから、それはこっちの積立金に入れてくれ」

「はい。わかりました」