「ここだ。ダリヤ、さっそく経理として最初の仕事だな☆彡 開けてみろ」

「……」


こうして私は、金庫室に足を踏み入れた。

それはもう金銀財宝が無造作に山積みされ、目が潰れるかと思った。眩しすぎて。
でも奥の壁にはずらりと金庫が並び、それぞれに国名の書かれた紙が貼ってある。なるほど、金庫だけでなく、銀行の役割もあるのだ。

中央に机と、そのすぐ脇には寝袋がある。

ファイサル船長の過酷な長時間労働が窺える。