まだガチムチのオカマとファイサル船長にしか会っていないけれど、深く共感した。
私はこの人を支えよう。できる限りの事をしようと、心に誓う。


「じゃあ金庫の鍵を渡すから、頼んだよ」

「はい?」


ファイサル船長は懐から紐のついた鍵を取り出すと、否応なしに私の首にかけた。

まるで、婚約するときに高価なネックレスを贈られる時のように、景色はスローモーション。お花と星が飛んでいる。なぜなら、ファイサル船長がかっこいいから。

硬派イケメンの威力、凄まじい。


「──って、え?」


我に返った。

金庫の、鍵……ですって?