「君が計算が得意だと聞いて助かった。正直、俺ひとりで抱えるには仕事が多すぎて」

「……はい」


バスィーム王子とファイサル船長に挟まれて、居住階に戻ってきた。
この人がいなければ真っ逆さまと聞かされた直後に、当の船長を管制室から連れ出している。

こんな恐ろしい事、ある?


「お前がやりたがるから、させてやってるんだ」

「殿下はこう言うけど、ここは頭のネジが外れた人間ばかりだから、誰かにやらせるのは危なっかしくて。わかってくれるだろう?」

「はい」