私は深々と勢いよくお辞儀した。
体を起こすと、ファイサル船長の知的な眼差しに貫かれる。銀色……とても美しい瞳だ。


「ようこそ、ダリヤ」

「……!」


ファイサル船長が硬派な微笑みで挨拶をしてくれた。
彼はバスィーム王子と歳もそう変わらなさそうで、とんでもない美丈夫だった。


「実は、ダリヤがお前に会いたがったんだ」

「本当ですか。それは光栄です」

「成り行きで最初にレイスを紹介したら、ヒヨコのように怯えていた。それで普通の人間に会いたいと」

「刺激が強すぎたかもしれませんね」


普通だ。
ファイサル船長は、とても普通だ……!