── ひ ゅ る ぅ ~ ん ……


口から魂が漏れる。 

大勢の召使いが、次から次へと馬車を飛空艇に誘導している。

すごい……
うちの屋敷より大きい……


「あ、あのっ、娘はあれに乗るんですかなっ?」

「そうだ☆」


どんだけ贅を凝らせば気が済むんだ、金髪王子。


「こっ、こんなに巨大な船が川に浸かりますかなっ? 溢れてしまうのでは……ッ!?」

「飛ぶんだ☆彡」


嘘と言って。
だれか、嘘と言って。

この世に私の知らない事がたくさんあるのは、わかる。
それを学ぶ喜びを、私は知っている。

でも……

空飛ぶ船なんて信じてなかった!!