「バディ、見つけたわよっ! バスィがホスニーのところで呼んでるわッ!」

「……レイス」


食堂の入り口からレイスがぷんすかして私を睨んでいた。
背後でファイサルが笑う。


「ふふふ。俺がいつも妬いてると思うな」

「ファイサルちゃぁ~んっ♪」

「……」


レイスがスキップしながらこっちに来たので、私はファイサルを置いて勝ち誇った気持ちで戸口に向かった。振り向いて、私のお花ちゃんたちに手を振る。

ルゥルゥ。
ライラ。
ダリヤ。

ああ、私は今、楽園にいるのか。
ありがとう殿下。


                               (終)