そんなダリヤも、旅を重ねるうちに殿下の愛を受けて美しく開花した……。

ダリヤが殿下と婚約した事でルゥルゥの留飲がおりたらしく、今ではいい友達になったようだ。それにライラがかなりダリヤを好いているので、3人が共に過ごす時間が増えた。

私はそれを眺めて幸せに浸る。
 
最初、殿下と世界旅行なんて退屈凌ぎにさえならないと内心は不貞腐れていたのに、今では殿下に頭があがらない。飛空艇は私のハレムだ。

はははっ♪


「バディーア! バディーアもこっちおいでよ!」


ダリヤと腕を組んだルゥルゥが、弾けるような笑顔で私を呼ぶ。
食堂はルゥルゥの手料理を食べる以外は酒を浴びて騒ぐためだけの場所だったのに、今では世界一の花園だ。

はぁ、みんな可愛い。


「バディーア。悪いがすぐホスニーのところへ行ってくれ。お前の衣装の件で急ぎの直しが……」

「見え透いた嘘はやめて」


ファイサルの手を払って上機嫌で花園へ向かう。