ああ、そうか。
私の不始末がひとつあった。
ハレムの女たちが粒揃いでつい、手を、だしてしまう……


「貴女であれば弟が血迷う事もないから、安心して任せられる」

「余計な虫は叩き潰すか食すか好きにして構わない」

「そういう意味で言えば貴女とレイスの相性は抜群だ」

「第一、その美貌を持ってして一生暗殺稼業では勿体ない」


私の顔と体で何人もの間者を陥れ葬ってきたというのに。
 

「ですが、私の不在時にもしもの事があったら……」

「貴女の父も叔父も健在だ。戦争でも起きない限り心配ない」

「それに大方の虫は貴女が斬り尽くした」

「しばらく安泰だ」

「妃に世継ぎを産んでもらいたい。というか妃が欲しい」