「新しい家族(・・)に、乾杯!」


そして一口呷って、親指で栓をして瓶を振り、私たちの輪にむかって振りかける。
 

「きゃぁ~っ!」

「やぁ~んっ♪」

「わっ」


初めて、お酒を浴びた。

でもそれが楽しくて、笑い転げながら踊り続けた。みんなの燥ぐ姿を見て、やっとわかった。これは、私を家族として迎える、喜びの宴なんだ。

ブルハーンが笛を腰に挿して、騒がしい手拍子と足踏みと雄叫びに合わせて竪琴を掻き鳴らす。

夕陽がじりじり落ちていく。

だけど私たちの情熱は、まだまだここから、燃え上がる。
愛する人と、愛する仲間と、ひとつになって。

──そう、世界の果てまで。


                            (本編・終)