アスィーラお姉様がそっとアリージュお姉様を宥めてくれて、そして私の頬に触れた。優しい眼差しに、心が満たされる。引け目を感じてはいたけれど3人とも大好きなお姉様だ。


「本当に美しいわ。まるで夜空に輝く星みたい」

「ダリヤ!」


バスィーム王子の声がした。
振り向くと、王子は父の脇に立って、白い歯を煌めかせて手招きしている。


「あの方があなたを変えたのね」


アミーラお姉様が呟いた。

私は、変わったのだろうか。
王子と出会う前も、今も、私は私だ。

ただ、もし私が本当に星のように輝いて見えるなら、それは王子が私を照らしてくれるから。彼こそ本当の煌めく星、人々を照らす愛の光。


「行かなきゃ」

「ええ、お父様とお母様も待ってるわ。きっと大切なお話よ」


アスィーラお姉様に優しく背中を押され、私は歩き出した。
まるで羽が生えたように体がふわふわしている。
王子が繰り返し私の名前を呼んでいる。
私を呼ぶ彼の声が、私をこんなにも幸せにしてくれる。

 
「ダリヤ」


差し出された王子の手を、ギュッと掴んだ。