森の妖精が冬から春、春から夏へと、草木の息吹を歓喜して舞い踊る『妖精の家』は大盛況に終わった。意外だったのは、それを実家の大広間で私が中心となって踊った事だ。

誕生日を迎えたお父様は、ハゲちょびんの頭を振って大興奮していた。

私が雲梯の高速移動を披露したときは、困り果てて目を逸らしたのに。そのお父様が私に拍手と歓声を贈ってくれた。お父様だけでなく、集まった親類や招待客もみんな、余興を楽しみ、喜んでくれたようだ。

すごく嬉しかった。

着替えを済ませて広間に戻ると、グラスを片手にお喋りに興じる和やかな雰囲気ができあがっていた。お祝いを言わなくちゃ。