意外だったのは、バディーアが少し居心地悪そうにしている事だった。心配になって声をかけると、


「だって、小さくて可愛いのって子供と女の子だけじゃない」


と差別的発言が返ってきた。笑顔で流しておいた。
バディーアもアルトー語講座には参加しなかったので、ほっとけばバレない。

向こうの席ではライラが医者5人と混じって薬草を嗅いでいる。
そして食べたりしている。
そのうちに、恍惚とした顔で踊り出した。
ファイサル船長が気づいて駆け寄る。異国の薬学は危険だ。


「〝実は恋人なんだ〟」

「〝おお! そうですか!〟」


バスィーム王子はなんでも着こなすし、なんでも違和感なく座る。