王子とふたりきりでいたはずなのに、誰かが遠慮なく背後から抱きついてきて、私の顎が勢いよく手すりにぶつかった。ライラだった。 それから分厚い影を落とす、ガチムチな体まで寄り添ってくる。レイスだ。 ──また空の旅が始まる。 仲間たちと空を巡る、次の旅が。 すっごく楽しみだ。