「んもっ、バンビちゃんったら! さすがアタシの見込んだ女!!」

「やめて……」


飛空艇に乗り込もうとしたら、突進してきたレイスが私を叩いた。
それから一方的に腕を組まれて、ガクガクに揺らされている。


「やっぱ違うなぁーって思ってたのよ最初からっ! アタシの目に狂いはなかった! ちょっとぉ、大変な事よ? バスィって王子ちゃんなんだからッ! でも何かあったらアタシに言いなさい? いいわねっ!?」

「ちょっと……乗る前から酔うんですけど……」

「でもわかるわぁ~。もしアタシが男だったら、あのバスィとだって取りあっちゃうものッ。あなた素敵よっ、バンビちゃん♪」


いい。
単語や文法の誤用なんて、気にしなければいいのだ。