また一口カクテルを飲んで、ファイサル船長は穏やかな笑みで頷いた。


「それなら、応援するよ」

「応援って……」

「相談にのるとか、ふたりきりになれるよう人を動かすとか」


本当に具体的な応援だったか。
なんだかすごい。力強い。


「でも、どうしたらいいかわかりません。私、こういうの、初めてで……」

「君は君のままでいたらいい。殿下に愛でられるまま、素直に、心のままに」

「……はあ」

「頑張っちゃ駄目だ。君は何かをプラスしなきゃいけないような女性じゃない。君はダリヤという星。君が君でいるからこそ輝くんだよ」

「わかり、ました……」