「どうも。こちらこそ」

「君は、殿下の周りにはいなかったタイプだ。というより、君が来てからの浮かれようを見て、こういう子が好みだったのかと気づかされたよ」

「こっ……?」


聞き捨てならない。
お酒は飲んでないはずなのに、顔が熱くなる。


「わ、私なんか……。他に、キレイな人、いっぱいいるし。バディーアさんとか」

「彼女は女性が守備範囲だからね」

「……」


それも聞き捨てならない。
でも、納得。


「ルゥルゥも、これでもう君を目の敵にしないな」

「……はぁ」


ファイサル船長は独り言ちて小さく笑った。その笑い方が、ルゥルゥを大切に思っているのだと伝えてくる。体形の変化で降板させたとしても、大切な仲間である事に変わりはないのだ。