「そう」 羽崎は頷き、一歩私のほうに近づく。 私は羽崎とは逆に一歩後ろに下がる。 笑顔を崩すことなく淀みなく喋る様はまるで犯人を糾弾する探偵の様だ。 (…… 胡散臭さで言えば私より貴方のほうが犯人ぽいんだけど) 「なんで、あの時遠回りしたの?」 「書道室に行くなら俺の教室の前を通るのが一番早いでしょ」 「なのにどうしてあの時だけ俺の教室の前を通らず違うところから行ってたの?」 (なんだ、そんなことか)