新しくなる図面に合わせて、インテリの配置なども変更しなければらない。

私はデスクに向かい、一から配置を考え直す。

私達に与えられた時間は、あと二日しかない。
今日中には新たなデザインを完成させないと。

午後には、いつもより若干胸を張った沢村君といつも通りの藤田さんが、私のデスクに修正した図面を持って来てくれた。

あったはずの壁が取り外されている。

「すごい!沢村君、ありがとう。」

「僕だって、やれば出来るんです!」

「何言ってんだよ。途中、電話で竹内に泣き付いてたくせに。」  

藤田さんが口を挟む。

「藤田さん、余計なことを言わないで下さいよ。
近い将来、僕だって竹内さんみたいになりますから。」

「いや、そこは嘘でも『藤田さんみたいに。』って言うだろ。」

二人の空気感が、私の張り詰めていた心を少し軽くしてくれた。