「私も何となくは・・・。」

「何となくか・・・。俺、明日からまた、向こうだから何かあったらいつでも遠慮せずに連絡して来いよ。じゃあ、仕事頑張って。」

それだけ言うと、竹内君は消えていった。
わざわざ、そのために忙しい時間を縫って、声を掛けてくれたんだろう。

確かにあのまま、長期出張に行ってしまってたら、気不味くなっていたかもしれない。

でも、今までずっと仲の良い同期だった関係が、突然変わるなんてことあるんだろうか。

経験者がいれば、是非聞いてみたいものだ。

今の私は、竹内君のことをどう思っているかと聞かれても、何で答えたらいいのか分からない。

ただ、『優香』と呼んでくれたあの声が恋しくて、また呼んで欲しいとは思ってしまう。

これは人恋しいだけの私の我儘？

恋愛経験が乏しい私には、この問題は難し過ぎて解けそうにない。