荷物をデスクに置くや否や、山田部長が近寄って来た。

「お帰り、野崎さん。打合せ、どうだった?」

「はい、藤田さんのおかげで上手くいきました。
こちらの提案で進められそうです。」

「そうか、さすが野崎さんだね。その調子で頑張って。」

山田部長は、それだけ言ってニカッと笑うと、自分のデスクに戻って行った。

相変わらず、軽い。

もうちょっと部下に寄り添って、話を聞こうとは思わないのか。
まぁ、今更、相談することもないだろうけど。

私は、今日の打合せの修正点を洗い出し、設計部と取引業者への発注を纏め、それぞれにメールを送った。

それが終わったのが、丁度、8時前だった。
竹内君に社内チャットをする。

『仕事終わりそう?私は8時には会社出れそうだけど。』

『俺も8時には片付きそう。1階のロビーで待ち合わせでいい?何を食べたいか、決めといて。』

「了解!楽しみにしてます!』