翌朝、教室に入った時には既にお菓子パーティー同然。

あちこちでチョコの交換がされていて大賑わいだった。



「南、チョコ持ってきた?」



私が荷物を置いていると、ニコニコ笑顔でチョコの小袋を差し出してくる友達たち。

私はそれを受け取ってカバンからタッパーを取り出す。



「直でわるいけど、どうぞ。

多分、1人3枚はあると思う。まあお好きな分食べて。」



合計150枚ぐらいだろうか、結構な数焼いたと思う。



「男子も欲しい人いたら、食べてくれていいよ。」



私は女子の友チョコ大会を少し遠巻きに見ている男子たちに声をかけた。

私の声を皮切りにタッパーの周りに男女関係なく人が群がる。



「さすが、我らがアイドル南サマ。
男子の分まで用意してくるところが人気出る理由よね。

クッキーも美味しいし、ホワイトデーとかどうなることか。」

「別にお返しのためとかではないし、味に関してはネット様様。」



彼女は、それは同意、なんて言いながらクッキーを口に放り込む。