「………っ」
「緋奈。」
「ひゃっ!な、なあに?」
急に翔くんの吐息が首にかかって、変な声を出してしまった。
ああぁ、もう、恥ずかしい…!
「…まだ、怖いか?」
「ううん、翔くんがいてくれるから平気だよ。」
「そっか。よかった。」
翔くんの表情は見えないけれど、声色的に安心してくれた様子がうかがえる。
「緋奈が眠るまで、起きてるから。おやすみ。」
「ありがとう…おやすみなさい…って、わぁ…っ!」
びっくりした、翔くんってば…いきなり足を絡ませてくるんだもん。
身動きが取れなくて、まるであたしをがっちりと拘束してるようだ。
嬉しいんだけど…や、やっぱり刺激が強いよ…!!
お泊まりしたい!ってだいぶ前に翔くんに言ってから、こういう機会は今日が初めて。
修学旅行ではあるけど、今日が初めてのお泊まりみたいなものだ。


