扉を開けるとそこには、腕を組んでスマホを耳に当てている翔くんが目の前に立っていた。
「翔くん…!」
「うわっ」
翔くんに会えた途端、安堵の気持ちでいっぱいになって、あたしは翔くんに飛びついた。
あたしはスマホを片手に握ったまま、翔くんに抱きついてぎゅうっと腰に思いきり腕を回した。
「…ったく」
頭上から翔くんの呆れを含んだような声が聞こえる。
でも、頭を撫でてくれる優しい翔くんの手のひらに温もりを感じて…すごく落ち着く。
…って、ここ廊下だった…!
思い切り人目につくし、そ、それに廊下にもユーレイの噂があるんだった…!!
あたしは焦って翔くんの体から離れ、翔くんを見上げた。
「ユ、ユーレイ…!」
「は?ユーレイ?」
突然発したユーレイの言葉に、翔くんは怪訝な表情をする。
「さっき、廊下にもユーレイ出るって…!」


