「…なあ。そういえば、聞いたか?」



滝本くんがお箸を持ったまま、どこか神妙な顔つきで首を傾げた。


ん?なんの話だろう…?



「…何を。」



お味噌汁をすすったあとに翔くんが、怪訝な表情をする。



「ユーレイの噂の話。」


「…え?」



滝本くんが静かに呟いた言葉で、あたしたち全員のお箸が止まる。


ま、ままま、待って。


今、滝本くんユーレイっていった…?


お、おばけ…?!


あたし、その手の話は大の苦手なんだけど…!!


き、きっと、ユーレイなんているわけないよね。


う、うん。


今の滝本くんの言葉は、きっとあたしの聞き間違い。


そう思うようにしたい…!と思ったんだけど。



「あー、聞いた。さっき他のクラスメイトが話してたよね。」



坂口くんが思い出したように、滝本くんの言葉に頷いた。


…嘘、ほ、本当に…?