…優介、魅斗、陸のあいつら3人がいなくてよかった。
夏休み前から、ふたりで海に遊びに行くことは決まっていた。
俺は3人には海に行くことは言ってなかったんだが、どうやら緋奈が行くと言ったらしく。
3人に、俺たちも一緒に行きたいとせがまれて、俺が必死に断った。
…緋奈の水着姿だけは、あいつらに見せたくなかったから。
俺だけが独り占めしたかったっていう、なんともガキっぽい理由だ。
…てか。
なんだ、あそこの男の集団は。
完全に緋奈を見て、鼻の下伸ばしてんじゃねぇか。
隣に、男の俺がいるってのに。
彼氏がいるってわからないのか、こいつら。
しかも緋奈は、さっきまで嬉しそうに顔を真っ赤にしてたのに、なぜか眉根を寄せて口を尖らせていて。
俺がパンパンに膨らませた浮き輪を指でつついてて、男の集団にはまっったく気づいてねぇし。


