「…でも翔くんはかっこいいし。お客さん、みんな見惚れちゃってるんじゃないかなあ…。」



思わず、ぽそりと呟いた言葉。



「…え?」



翔くんの声に、あたしはハッとした。


女性のお客さんに笑顔で対応している翔くんを想像していたら、なんだか胸がきゅうって痛くなってしまった。


だからって、あたしってばなんてことを。


あたしは翔くんの腕から離れて、慌ててぶんぶんと手を振った。



「ご、ごめんっ!ちょっと…その、やきもち…妬いちゃった…。」



あたしはしゅんと小さくなって、最後の方の言葉は翔くんに聞こえていなかったかもしれない…。


…もう、あたしのばか。


翔くんは、頑張っているのに。


アルバイトで社会勉強をして成長している翔くんに比べて。


あたしって…なんて子供っぽいんだろう…。