「…へへ、翔くん。すごいや。」
「そうか?」
「うんっ!」
あたしは、そう言って笑い翔くんの腕にぎゅっと抱きついた。
そういうふうに成長した翔くんを想うと、胸がいっぱいになるっていうか。
思わず涙が滲んできたけど、グッと堪えた。
あたしも、翔くんに置いてけぼりにされないように…大人になっていきたいなぁ。
「…心配してくれて、ありがとな。」
翔くんはまた、あたしの頭をふわりと撫でる。
「う、ううん…っ!いつもお疲れさま!」
アルバイトを頑張っている翔くんに、労いの言葉をかけた。
というか、むしろあたしの方こそ、余計なことをしてしまったような気がする…。
でも、翔くんのアルバイトのお話が聞けて…よかった。


