「…はい、いただきます。」
「ありがとう、お母さん!」
あたしが、お母さんから箱に入ったクッキーを受け取った。
そして、ペットボトルのお茶とコップを二つ用意してトレーに載せる。
「お、お母さんあの、あたしの部屋に行くねっ!」
「あら〜?ふふふ、ごゆっくり〜」
あたしは翔くんが大丈夫か心配で、口早にお母さんにそう告げた。
お母さんは、首を傾げながら少し残念そうな表情をしていたけど、すぐに微笑んだ。
今回は…ごめんね、お母さん…!
「翔くん、あたしの部屋こっち!」
「…あ、あぁ。」
あたしはトレーを持っていない方の手で翔くんの手を握って、自分の部屋へと招き入れた。
自分の部屋、片付けておいてよかったぁ…!
翔くんには気付かれない程度に、ほっと安堵の息を吐いた。


