「初めまして〜っ!緋奈からお話聞いてますっ!予想以上にカッコいい子だったんでびっくりしたわぁ!」


「…はは。ありがとうございます。」



翔くんは戸惑いがちに…どこか少し照れくさそうに、お母さんに控えめな笑顔を見せた。


あ…翔くん、思っていたより普通かも…?


それに笑顔を見せているし…あまり緊張していないのかな…?


それならいいんだけど…。


お母さんには、翔くんが女性が苦手だっていうことは言ってない。


あたしと付き合っているからって、翔くんは完全に女の子嫌いを克服したわけじゃないと思うし…。


やっぱり、もしかしたら翔くん、本当はすごく困ってるかも…っ!



「どうぞ〜ゆっくりしてってね〜!あ、いただき物のクッキーがあるんだけど、食べる〜?」



すると、慌てるあたしを他所に…先日お隣に住む人から頂いたお土産のクッキーを、お母さんがのんびりとキッチンの棚から出してきてくれた。