「菜々美、菜々美ってば」

「な、何?」

「海斗くんが呼んでる」

机の向こう側に立っていた

「会計済ましてくるから、封筒」

「あっ、はい、私が行こうか?」

「いや、いいから忘れ物がないか見といて」

「わかった……」

菜々美は封筒を渡した


1次会が終わりみんながゾロゾロと動き始めた

明日香も一緒に忘れ物がないか、最後まで残ってくれた

「よし、OK、行こう、菜々美」

「うん」

「菜々美どうしたの?後半元気ないよ」

「あっ、大丈夫よ、何かみんな、元気だなって(笑)私打ち上げって初めてだから」

「へー、そうなんだ
塾とか忙しかったの?」

「ううん、塾は行ったことないよ」

「学年トップは塾行ってないのかー、凄い」

塾も行きたかったな、他の人がどういう勉強法をしてるのか気になる

2人を寝かせつけてから宿題と予習復習をしてたな

没頭するものが勉強しかなかったからなー

今でもそうか……趣味なんてない

「部活と両立出来てるみんなの方が凄いよ」

2人は最後に店をでて、カラオケに向かった



2時間のカラオケが終わる

「みんな、気をつけて帰れよー」

「海斗、先生みてぇ(笑)」

「当たり前だ、何かあったら俺が怒られる」

「ハハッ、じゃあなぁー」



カラオケ店の前で1人になった海斗


「はぁ、疲れた」

「お疲れ様」

後ろを向くと菜々美が立っていた

「おまっ、帰ってなかったのか?」

「うん、だって初めての夜あそび……」