それは中川がかわいそうだ

「出来てないことを注意するのは当たり前だし、キャプテンならなおさらだよ」

「そう……だと思ってたんだけどね」

「ちゃんと2年で1度話してるんなら、実際出来てない事に気づいてくるだろうしさ

出来てるならその1年には中川じゃない先輩が性格的に合ったんだよ

中川が1人でボッチでいるならだめだけど、ちゃんと信頼してくれる他の部員もいる訳だし
そこはブレない方がいいと思うな……」


確かに全員ではないんだよね


「……そっか……そうだよね、ありがとう、少し軽くなった」


俺でも役に立ったかな(笑)
なんて笑顔で話してくれた


お好み焼きが運ばれて2人は食べ始めた

ほら、ソースついてるよなんて、紙ナプキンで
口元を拭いてくれて亮太は恥ずかしいとこばかり見せてるな、なんて思ったり


中川の食べ方は綺麗だな、なんて思ったり

時々ふっと遠くを見て、部活の事を考えてるのかなって……


「崎山って副キャプだったっけ?」


「一応…役に立ってるかはわかんないけど剣也も意外としっかりやってて、今のところ問題なくやれてるかな」

「いいね、そういう副キャプって、傍にいるだけで心強い」


「……バレー部のさ、副キャプはできないけどさ、中川の傍にいて話聞いたりアドバイスしたりすることは出来るけど……」

えっ?と明日香は亮太を見た

「アドバイザー?(笑)」

「あっ、俺のアドバイスなんていらないよな
ごめん……中川はしっかりしてるから大丈夫だよ」

「私……全然しっかりなんてしてない、キャプテンなんてやりたくなかった」