「そっか……菜々美は人助けしたのにね
海斗くんもかなり怒ってたなら菜々美の説明も冷静に聞けないよね」

「……どうしよう」

「わかってもらうしかないよね
菜々美の意思じゃないことは海斗くんでもわかってるんだよ……

でもやっぱり腹はたつよねー」



「別れるのかな……」

「冷静になれば大丈夫だよ」

「あんなに怒るなんて……」



「菜々美の事が好きだから怒るんだよ
サッカーの応援に行こうか……もう顔は大丈夫?」

「大…丈夫」

明日香は歩きながら、海斗くんを応援したら菜々美がまだ海斗くんを好きってわかってくれるよ、しっかり応援しよと言ってくれた

「どうなってる?」



明日香は応援していた美咲に声をかける

「0-0だよ、接戦、去年みたいにPKになるかなってとこ」


海斗達の1組は選手交代をしていた


「ハァハァ、何か作戦立てろよ、亮太」


「剣也のマークで精一杯だよ
海斗こそ冷静になれよ、向こうはサッカー部いないんだぞ…振り切れよ」

「2人マークにきてんだよ、サッカー部じゃなくても……」

菜々美の姿が目に入ってきた

「海斗くん!!
頑張って勝ってぇーーーー」

お願いと両手を合わせる



泣いてんのか?

海斗は大きく深呼吸をする

そうだよな、菜々美は俺の彼女だ

剣也にはなびかない

そんな女じゃない

信じる!



「よし!」

パンパンと両手で自分の頬を叩いた