朧げの華


浪士「ぐはっっ!!」

菜花「はぁーはぁーはぁー。」

菜花の荒い息と男の苦痛の声が響く。

菜花「は!お母さんの形見!!」


なんで!?なんで見つからないの!!

地面に張り付いて必死に探す。
涙で菜花の目が滲む。

やだ!お母さん!!どこ!!


お母さん!!


泣きながら菜花は倒れた。
自分が倒した浪士の隣で....。

?「見てたか?」
?「うん。あれは...一先ずこの少女を屯所へ連れて帰ろう。」

一部始終を見ていた男がぐったりと倒れている菜花を優しく持ち上げる。
菜花は薄ら目を開けた。
そして藤色のような淡い曙の空を最後に意識を失った。