2人は稽古の後、いつもどこか寄り道をして、剣道のことや今日あったことなど話して帰る。
2人が通う高校は地元でも有名なお嬢様学校で、校則は厳しいが、教師に「これは地毛です!」と言い張って、綺麗な茶色に染めている美桜の髪が菜花は好きだ。

美桜「今年の夏こそかっこいい彼氏をゲットして海に行きたーい!」と言いながらカフェのテーブルに突っ伏す。
美桜は他校の男子からも声をかけられるほど、可愛らしい顔立ちをしている。何故今までに彼氏ができないのか菜花は不思議でたまらない。
菜花「美桜ならすぐ彼氏できるよ。こないだ告白されてたじゃない?なんでオッケーしなかったの?」
美桜「なんかビビッと来なかったの。こう、なんだかわからないけど、この人ではないな、って思ったの。」
恋とはそういうものなのか、菜花は今まで好きな人も出来たことが無く、どういうふうに人を好きになるかもわからない。

美桜「菜花こそ、好きな人いないの?」
にやにやしながら聞いてくる美桜。わかってるくせに、と思いながら睨む菜花。
美桜「菜花は可愛いのに、鈍いものね〜笑こないだも無意識に男の子を振ってたもんね〜笑」
と思い出したようにケラケラ笑う。
そんな姿に菜花は言い返せず、美桜を睨むまま。
美桜「怒らないでよ♪菜花は可愛いからすぐに素敵な人見つかるよ!まぁでもその鈍さが治らない限りは難しいかなぁ〜笑」

まだケラケラ笑ってる美桜を横目に窓を眺める。
『好きな人なんてどこにいるんだろか、私にはきっと縁のない話なんだろうな、、』
そんなことを考えなら、黙っている菜花の姿を見て、美桜は少し寂しそうな顔を浮かべる。