「翔真って白石が目標みたいなところあんじゃん?バスケやってても白石のためってとこあるし、アイツの今の目標って何なんだろって。」
「あ!?三上お前何言ってんだよ。翔真は明徳で全国優勝目指して頑張ってるじゃんか。」
「それは白石がけしかけてるからだろ?好きな女と同じ目線でいたいだけでホントは違うかも」
「ちげーだろ!お前らが翔真を信じてなくてどうするんだよ!」
「だから栗原さんも、この前言ったんじゃないのかな。」
「あ?」
“成長が足りないな。翔真”
“目指すんだ?このままじゃ中途半端に終わるぜ。何もかも。”
“どこお前も立てよ。この舞台”
“今の何百倍、何千倍努力すればな。”
「…翔真もあの才能と向き合いたいんだろうけど、あの優しいユアペースな性格だと、どこか父親を背いてバスケを続けている自分を後ろめたく思ってバスケ続けてるんじゃないかなって時々思うんだ。」
中学からずっと秘めていた思いを初めて口にしたかのような三上の重い言葉は、結城さえ心のどこかで感じていたことのようで、口を閉ざしていた。
「バッカじゃん!!お前ら!」
だが、そんな二人の不安を跳ね飛ばすかのように胡坐をかいて公園のベンチにドカッ!と音を立てて未茉は座った。
「翔真がそんなこと思いながら東京ナンバーワン勝ち取れたと思うか?アイツがバスケ続けようが続けまいが、才能があろうが努力がなければ絶対勝てねーよ!BIG3っていつもつるんでんのにそんなことも分からねーのかよ。」
「…」二人は顔を見合わせるも、
「白石はあの親父の恐ろしさを知らねぇからそういうんだよ。」


