#OVER TIME





「翔真が大企業の社長の息子ぉぉぉお!?」

翔造に追い出された帰り道、近くの公園で未茉は結城達から打ち明けられた衝撃的事実を知った。

「そ。親父は普段本社のある愛知にいるからあんまり東京には帰って来ないらしいけど。」
「あの穏やかで優しい母ちゃんとは大違いで。バスケも大反対で本当は高校も進学校に進学してほしかったのに、親父の猛反対振り切ってお前を追って明徳に進学したのは、アイツがバスケを始めて以来の反抗だったらしいぜ。」

「翔真が坊ちゃんか…ぶっ!!なんかぴったりで笑えんな!!」
「お前・・笑ってる場合か・・」
「だってよ、蝶ネクタイとか似合っちゃいそうじゃん!!」
「・・・。」

「白石、俺らがこれを言っていいのか分からないけど…、湊は高校でバスケ辞めるのが明徳に進学する条件だったんだ。」

「ふーん。」
「俺、たまに思うんだよね。翔真って白石に会いたくてバスケやってたじゃん?」
「ああ。」
「白石に会うために明徳に来て、それが叶ったら辞めるのかなって。」
「はぁ!?」