#OVER TIME




「湊の親父が?」

「ああ。あの超温厚の湊から想像もつかないくらいこぇー親父でさ!」
あははと笑いながら星河健の家で寛ぐのは、日本代表の試合を終えて健の家に遊びに来ている栗原想汰だ。

「へぇ。」想像すると健も面白そうに笑った。
「まぁ、親父がとにかくバスケやるの反対で。将来自分の会社継いでほしいからだろうけど。」

「ああ。なるほどね。才能を見込んでプロになるのを恐れてるってことか。」
「そ。未茉大丈夫かな。あの親父で。」
「大丈夫だろ。」

「そうかな・・昔、竜之介なんて湊の親父に口の利き方が悪いってボコボコに殴られてたぜ。」
「ぶあははは!!!なんだその親父うけんな!!!」
「いやいやそんな呑気に笑ってる場合じゃないぜ?マジであの親父やばいから。未茉なんて…」

「だとしても、それは湊が乗り越える壁だろ?」

「…!」

少し驚いたように想汰は、いつもと同じクールな健を見た。

「そんなことも乗り越えられない奴だったら、どっちにしても未茉とは付き合えないね。」